西方行脚2016/遠軽~渚滑~名寄~士別
                 ~和寒~神居古潭~滝川~三笠~岩見沢~札幌

9月16日(金)後編 どうしても食うべきそばがある

旧神居古潭駅跡



 旭川八景の一つでもある景勝地にあるその駅跡は、R12の旧道から昭和13年に架けられた「神居大橋」を渡った向こう岸の階段登った上という、何でこんなとこに駅作ったの?ってとこにあります。いくら景色が良くても、橋の近くに店が1軒だけですからそう思うのも無理はありません。しかしかつてはそれなりに栄えた時代もあったんだそうですよ。



 明治34年に簡易停車場としてここに駅が設けられた際、駅対岸の集落との間に初めて橋が架けられたのが始まりでしょう。以降集落も徐々に大きくなり、やがて商店ばかりか食堂、パチンコ店、温泉宿にホテルまで!昭和30年旭川市編入後は「北海道自然博物園」としてPRしてたとか。それが昭和44年に伊納~納内が別線に切り替わって廃駅となるとどんどん寂れ、今は店が1軒残るのみ。鉄道によって栄え鉄道と共に滅びる、地方の鉄道によくある栄枯盛衰の類かと。だとしても、鉄道はおろか道路整備もままならぬ明治の山間の集落です。その真ん前に駅ができて、しかも橋を渡れば5~10分の駅近。当時の集落の人たちはさぞや大喜びだったでしょうね。



 階段登って見えてきた駅舎は、昭和44年廃駅時をベースに明治期の姿に復元されています。展示されてる動輪はC57130のもの。晩年は人吉、宮崎から最後は旭川で宗谷本線を走りました。線路こそありませんが、駅構内も当時のまま残されてます。低めのホームもそのまま。



 ↑クリックしてみてください。今はサイクリングロードとして整備されている線路跡ですが、滝川側のトンネルを出て制限30で場内進行。2番線に入る下り旭川行きのイメージを組んでみました。1番線で待つ上り列車の前には助役が待ってますから、助手もしゃがんでタブレットぶら下げて、の感じで。



 それにしても滝川側はトンネルの中もかなりの急カーブです。



 その急カーブが緩くなってもうすぐホーム、というあたりに蒸気が3両並んでます。でもその線を延長するとホームにぶつかっちゃうから、これは本線ではなくて当時の貨物用側線ですね。3両目のD51はカントでちょっと傾いています。いかに狭い構内だったか、ですね。



 そのためでしょう。その側線も本線同様橋を架け、駅舎側まで延長して有効長を稼いでます。ん?センターちょっとずれてる?

       

 さて肝心の蒸機。ここも上々のコンディションで撮りまくり!



                    29638




                    C57201






                   D516



 狭い構内ながら、これが函館本線だったんですよね。実に好ましいレイアウトです。許されるならここでしばらく妄想にふけっていたいところ。でもまだ予定びっしりですから次行かないと。そうしたの自分だし!




滝川の驚異のそば屋
 


 出発前の調べで、滝川に「まるかつ」という驚異のそば屋があるというのを掴んでいたんですが、その前に一仕事。同じ滝川市の郷土館でD51297撮影です。グーグルマップにデータがあったんで、ナビくんで一発でした。



 がっしりした屋根の下、やや汚れてはいるもののまずまずのコンディションです。柵も低めで撮りにくい事もありません。このカマも昭和36年から蒸気最後の年まで滝川区所属でしたから調子良かったんでしょうね。

 

 これは珍しい!給水栓もあります。が、もう次が気になって・・・

      

 てな感じで昼飯PartⅡへ。だってこの店、かけも天ぷらも全品300円だって言うじゃないの!滝川でD51撮るのにそんな店を素通りできるわけがない!なもんだから気が急いてたんでしょうね、店の裏に駐車場があるのに店前にドンと止めちゃって店に入ると・・・ホンとだ、全部300円!かけも狸も天ぷらもぜ~んぶ!どういう商売の仕方してんでしょ?


*店内撮影禁ですがOKもらってから撮ってます。
 
 しかも立ち食いじゃなくて全席椅子席です。店員も若い女の子までいて今までに見たことないスタイルです。お味はやや薄ながら今回の中で一番好みに近いかも。もちろん汁残さず、の完食です。ごっそさん!



 





三笠鉄道村
 お次は旧幌内線の終点だった幌内駅跡にある三笠鉄道村です。ナビに入力したらすぐ表示されたんで直ちに出発!でもどんどん山に入っていくのになかなか着きません。日もどんどん暮れていくし・・・。やがて元炭住と思しき廃墟を過ぎると突然車両基地のような施設に出くわしました。これがその三笠鉄道公園です。パッと見ではディーゼル中心みたいな品揃えです。



 休日なら元鐵原のタンク機S-304が走るんですが、今日は平日なのでお休み。しかもこの時刻じゃ施設もガラガラ。もうしまってるのかと思うくらい。さて、生きた蒸気が休みなのに何がお目当てだったっけ?と歩いてたら・・・これでした。C122と59609。これ見に来たんでした。



 屋内保管だから当然のコンディション。それにしてもC12は久しぶりです。



       

 C12ってボイラーちっちゃいから運転室広いんですよねぇ。



      

 この96も良いコンディションですが、そのほかは屋外に放置とは言わないけどかなりヤレてる感じ。結構レアな旧客もあるのに・・・

 

 

 石炭産業亡き後のレジャー施設なんでしょうが、集客力もどうなんだか。当然メンテも予算的に厳しいでしょう。ならばせめて旧客だけでも今少し面倒見てもらえませんかね?ええ、ディーゼルはどうでもいいですから。



 次へ向けて山を下りる途中、さっきの元炭住脇に差し掛かりました。石炭産業盛んな頃の賑わいを思うと、なんとも寂しい光景です。




元室蘭本線の蒸機たち
 お次は岩見沢市みなみ公園のC57144とD5147。C57144は昭和37年から、D5147は戦前から共に室蘭本線を走り続けたカマたちです。さぁナビに任せてそれ急げ!日が暮れちゃうよん!



 着いてみてまずコンディションの良さに驚かされます。それもそのはず、国鉄OBの方たちがメンテしてらっしゃるそうですから。運転室内もこんな街中で、しかも入れちゃう!にもかかわらず欠品なしとはすばらしい!しかし・・・何よこの塗り。煙室ハンドルやパイプ類が茶色ってなんで?金色か銅色じゃないの?これからも大事にして下さるのでしょうから、ゼヒ塗りも!

 

 

 雪対策でしょうね、すっごくしっかりした屋根の下で保存されてます。その分すっごく撮りにくいです(苦笑)。




デジカメの限界?
 さて本日ラストは、日没に間に合うかどうかのとっても博チックな万字鉄道資料館のB201です。ナビもすんなり入力OK!万字のお山に向けて夕暮れの道道38を疾走します。しかし日はお構いなく沈んでゆきどんどん暗くなってゆくのに、ナビは更に山奥を指し続けます。はたして撮れんか?いや、あんのか?の不安をよそに「目的地です」、と。ん?どこよ?ないじゃん!あわててネットで確認したら鉄道資料館じゃなくて鉄道公園じゃないの!もっと手前です。通過してんジャン!急ぎ入力しなおして薄暮の道道38を駆け下ります。そして旧朝日駅に作られた万字鉄道公園に到着。



 もう三脚立てるべき暗さです。でも肘を固めて何とか撮れてるみたい。

 

 実際は左が肘固めで右がストロボですけどね。薄暮のかすかな明かりの中で撮りまくりましたが、ここらがデジカメの限界のようです。



 これで今日の予定は漏れなく終了。結構ハードでした。でも楽しかった!さ、お宿のある札幌へ移動して味噌ラーメンいただきましょ!





どうしても食うべきラーメン?
 実は43年前に蒸機撮りに来た際、せっかく札幌でラーメン屋に入ったのに、ラーメン食わないでカレーライス食って帰ってきちゃった・・・なんてことがありました。次来た時でいいや、って。ところがその後10回も渡道しながら1回も札幌へ行くことがなくて・・・。でも今回で1~5号全機が北海道走破達成!となれば当分渡道の予定はありません。ですから今回は何がなんでも札幌に1泊と決め、43年越しの悲願達成を目指しました。そんな道内最後のお宿は「ロテル・ド・ロテル」。すすき野のど真ん中ですが、部屋もバスルームも広くてリーズナブル。こことても良いです!

       

 さて、車と荷物収めたら敵討ち(?)にいざ出撃!まずはスマホで有名店をチェックして「味の三平」から。しかしなぜかGPSが私の位置を正しく示してくれません。いきなり私はどこ?状態。三平の看板も見つけられずに、30分近く彷徨ってしまいました。そしてやっと見つけたら・・・もう閉店!そんなぁ・・・。それにしても札幌って・・・わからん!と嘆きつつ、これって内地モンの札幌=田舎モンの東京、ってか?(笑)。と、笑ってる場合じゃない。んじゃ次は「すみれ」!これは割とすぐ見つかって2階にある店舗の階段上るとやはり2~3人並んでます。ま、有名店ですから当然でしょ。



 と素直に並んだとたんエレベーターのドアが開いて年寄りの団体がどっと!車いすの人もいます。でもこっちが先だからオレの後ろ、って振り向いたら今の今まで誰もいなかったのに階段の下まで行列になってます。さっきのお年寄りの団体、せっかくエレベーターで上がってきたけど、車いす置いて階段下りて最後部へ・・・。あっぶねぇ~!10秒遅れてもケツだった!
 で、券売機でハーフ?とチョイ迷いつつも味噌のフルを注文。まずは店内の椅子で待機なんですが、店内に充満するニンニクの匂い!たまらん!いやが上にも食欲をあおります。やや待って着席してじゃん!味噌ラーメン登場!43年越しの願いが叶います!っとここで手元がくるってスマホがどんぶりにダイブ!隣席の若い子がすかさずティッシュを差し出してくれてとにかくふきまくり!引き上げが早かったからか被害はそれほどでもなかったようで何とか終息。もちろん写真は復旧後です。



 では改めて・・・。しかし・・・これフル?ハーフじゃないの?というなんか少なくね?感いっぱい。なんか・・・なんかが・・・なんか・・・これがすみれの?なんだかなぁ・・・。お味は良いですけど、フツーに味噌ラーメンの感じで。まぁ、コク云々はしまだ屋の3たまパックよりは上ですが。すんげぇ期待して、普通ならわざわざ行かない有名店来たんだけど・・・これで900円?行列並んでまで食うかなぁ・・・でいっぺんにテンション下がって・・・。2杯目の店も探しはしたものの、ラーメン横丁覗いて・・・やーめた!コンビニで燃料とつまみ仕込んでホテルに戻っちゃいました。43年ぶりに今度こそ!と張り切ったわりにはあっけない幕切れでした。当分渡道の予定のない北海道最後の夜はちょっと寂しく更けていきました。

 

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