西方行脚2016/遠軽~渚滑~名寄~士別~和寒
9月16日(金)前編 キマロキ!

忙しい1日の始まり
 今日は忙しいです。旧名寄本線~函館本線に沿って走り札幌まで行くんですが、保存機が多いからどうしても寄るとこが多くなります。それをナビタイム仕込みの分刻みスケジュールで回るんですからなおさらです。



 朝のお勤めに体操、ストレッチ、軽い筋トレ済ましてゆんべの残り物で腹ごしらえしながら今日の予習も。今日は涼しいからジーンズと長袖にして、と。ロビーでサービスのコーヒーいただいたら出撃です。



遠軽のD51859



 まずはここ遠軽の「遠軽町郷土館」横の公園に保存されてるD51859から。

   

 昭和18年鷹取工場製で戦後は北海道一筋。残数の少ない戦時設計のカマボコドームです。これもコンディションいいですねぇ。



 今回見た蒸機はどれもみなきれいです。現役当時よりずっと(笑)。



 雪深い土地柄かラッセルも良いコンディションで保存されてます。



 ホイっ、お次!の前にやっぱりこれも撮っとかなきゃね。







69644は・・・どこよ!?
 さて、お次は旧渚滑駅跡の69644なんですが、これがいったいどこにあるやら。どのネット情報でも「旧渚滑駅跡」としか書いてないけど、グーグル地図は「見つかりませんでした」とぬかしやがる。これじゃスマホナビが使えないじゃないの!そこで出発前にホテルで朝飯食いながらネットをあちこちまさぐって、ようやくそれは「渚滑ふれあいパーク」であることを突き止めました。予習しといてよかった!こうなりゃこっちのもん。スマホナビ君が連れててくれますから。遠軽から北上してオホーツク海に沿って走って・・・一発ツモ!



 しかし・・・ヤレてんなぁ・・・。シリンダーカバーなんてめくれかかってます。ボイラーも何かが流れたような後が痛々しい。海も近いから手入れ如何なのに・・・。まぁ、自治体の懐具合しだいですからね、仕方ないのでしょう。







旧名寄本線をたどる
 お次は、今日のメインと言っても良いかもしれない、「キマロキ」拝みに名寄へ向かいます。4台連なって保存してるそうですし、現役時代にはラッセルしか見たことありませんからね。とても楽しみです。



 再びオホーツク海を右に愛でつつ走り、興部から内陸へ。全て旧名寄本線に沿った道です。天気は相変わらずどんよりしてますが、市街地を抜ければどこもガラガラ。気持ちよく走れます。ん?道の駅かな?コバラくんも駄々こね始めてるんでちょうどいいです。一休みしましょ。



 入ったのは「にしおこっぺ花夢」。何か食うものないかと覗いたら、揚げいもが量&値段共にお手頃。種類は鹿肉入りとナシの2種類。当然鹿肉入りの「鹿揚げ芋」なるものをチョイス。なんか、ドーナツっぽいな・・・

 

 一口食ってみると中は鹿のミンチとジャガイモ。イモはそのままあげてるらしいのでコロッケとは違います。こりゃ面白い!もちろんお味もGood!この手のものは値段が・・・、なのが多いんですがこれなら買いやすいです。いや、もうちょっと値段上げて鹿肉増やすのも良いかも。良いおやつでした。



 ところで、車で北海道は通算9回目ですが、このルートは初めてのはず。でも道端に旧○○駅なんていう立て札が立ってるんで、少しずつ思い出してきました。高2の冬休みに小学校の同級生と2人でこの名寄本線に来たこと。雪の中、宇津あたりで蒸気撮ったのこと。そうそう、線路なら来たことあったんです!それを思い出したら、かつての駅前を見たくなって。でももう何もないのもちらりと見えちゃって・・・。名寄本線も消えて早28年。思い出はそっとしまっておいた方が良さそうです。




キマロキ!

 そして・・・じゃん!名寄北国博物館の「キマロキ」です!こりゃ見事!遠目にもきれいに手入れされてるのが分かります。しかもヘッドライトが点灯しています!これはすばらしい!こりゃ興奮するなというほうが無理な話。シャッター押しまくりです!実際このレポまとめるのに写真選びに苦労しました。あ、「キマロキ」ってぇのは機関車+マックレー+ロータリー+機関車で除雪する編成のことで、それぞれの頭文字を取ってキ・マ・ロ・キね。先頭の機関車に牽かれたマックレーが線路脇の雪をかき集め、ロータリーで遠くへ吹き飛ばします。現役当時でもめったに拝めなかったようです。        

 なんでもキマロキ展示40周年だそうですから磨きにも力が入ったことでしょう。しかし名寄本線の廃線が平成元年だったから、この展示から12年しか持たなかったんですね。あ~ローカル線!        

 

59601

 

 

キ911

 

 

キ604

 大正12年にアメリカから輸入したキ300(後にキ600)を国産化して昭和4年に苗穂工場で造られました。テンダーはD50と同じものを新製して使っています。ボイラーも蒸機全盛当時のハイテクマシンですから、廃車からの流用ではないはずです。輸入機をまねたか独自に専用のものを新製したか?時期的には86あたりのような気はしますが、後日あちこち調べましたが未だにわかりません。



 車内に入ったのは初めてですが、構造は予想していた通り。ただ細部は想像すらしたことがなかったので唸りっぱなしでした。

    

 ロータリー車も機関車同様助手がカマを焚き、蒸気で羽根をブン回すのですが、機関車と違うのは、勾配だろうがなかろうが除雪作業中は焚きっぱなしで休みなし!相当きつかったそうです。

 

 

D51398

 

 保存機たちの並ぶこの線路はかつての名寄本線そのものだとか。宗谷本線と名寄の町が見渡せるそんな小高い丘の上で、大切にされ準鉄道記念物にまでなって・・・。幸せな老後と言えそうです。ではそれぞれの〆を。





 お次は昼飯に立ち食いそばをいただきに士別へと参りましょう。







士別駅の絶滅危惧食
 
かつてはローカル線でもちょっと大き目の駅ならどこにでもあった立ち食いそば。多いとこではホームごとにありましたっけね。それが今や絶滅危惧食です。事前の調べでも閉店の多さにがっかりしてました。



 その中にあって今も奮闘してるのが前回の留萌や今回の遠軽。そしてこれから向かう士別です。音威子府も食いたかったんですがさすがに遠回り過ぎてあきらめました。そして士別駅到着。店は・・・あった!



 待合室の隅っこの小じんまりした佇まいは売店も兼ねてます。意外にも先客がいてちょいと待たされたのはむしろほっとする話。ぜんぜん客いなかったら不安になっちゃいますからね。で、てんぷらそばです。



 まずは汁から。ん?ここも薄味?!北海道はやはりこのくらいなのか?留萌のはもっと濃くてほぼストライクだったんですけど。ん~なぞです。でもここも存続にこそ意義があるので味は問いません。本当に好きなのは秋葉界隈で食うからいいんです。ええ、もちろん汁も残さぬ完食です。おじちゃんこれからもがんばって!




予習しないから・・・
 お次は和寒町郷土資料館のD51337なんですが、グーグルマップじゃ出てきません。なのに何をどう間違えたんだか、ナビくんにまるで違うとこに連れてってもらっちゃいました。慌てて再度ネットでチェックしたらそれもそのはず。資料館は和寒町公民館にあるんじゃん!で急ぎそちらへ向かって無事到着。渚滑みたいに予習しないとダメですね。



 このカマもコンディションは上々!テンダー上の枠は?ですが、大事にしてもらてるようでうれしい限りです。ま、現役当時を知る者としては黒光りに若干の違和感は隠せませんが(笑)。



 このカマ、昭和27年に渡道して以来北海道一筋ですね。中でも名寄区の皆さんとはよほど相性が良かったんでしょう。20年近く在籍してます。



 お次は・・・神居古潭ね。それ行け!

 

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