西方行脚2016/~豊後森~矢岳~大畑~人吉
5月31日(火) 保存機めぐり

GSでマフラー修理
 今日は1日保存機めぐりなんですが、どうにも5号のマフラーの音が気になって・・・。昨日も結構良い音してましたからね。何とか潜って確認だけでもしたいので、ベッドでぼんやりしつつもあ~やってこ~やって、とシュミレーション。早いとこ朝飯澄まして始めたいとこです。ゆんべの食い過ぎがたたって全然腹減らないけど、軽めに済ませてチェックアウトして。ところがいざ車を目の前にしてみると、思っていたより車高が低いです。パンタジャッキで上げても体をねじ込むのがやっと、みたい。そこへ地震でも来たら・・・お~怖!諦めて出発することにしました。ま、走れないわけじゃないし。




 しかし走り出してすぐ燃料が心細いのに気付いてスタンドへ。そこで何気に空いてるピット眺めてて!!!ピット空いてるじゃん!借りちゃおう!店員に交渉したら1000円で貸してもらえることになりました。こうなりゃこっちのもん!早速ピットに潜り込みます。が、状況は・・・殆ど破たん!口空いてます!これじゃ良い音するわけです。要再修理ですが大丈夫!先日児島で補修材仕込んでますから。まずは手持ち工具で残っているテープやバンドを全て外します。そこへ改めてテープを巻き直して補修用の筒を巻き付けバンドで締め上げ、更に残ってたテープと針金使い切るまで巻き付けて作業終了!これでだめなら諦めるまでです。で、結果は・・・こんな静かな5号は久しぶり、と言った出来具合。少なくともしばらくは持ちそうです。これもガレージサイコーでの日頃の修行のタマモノかと。あ、白のポロシャツに黒いシミが・・・。やっぱツナギ積んどくべきでした。ハイ出発!




豊後森機関庫



 昨日に続いて大分道を走ります。って、昨日は間違えただけだい!(笑)
復旧工事はあっても流量少ないから渋滞とは無縁です。

 


 なんですが、入り口が分かりません。とりあえず豊後森駅にも行きましたがよく分かりません。うろうろしてたら扇形庫が見えてきましたがやはり???



 も一度駅に戻って駅員に聞いたら、車は駅隣のPに置いて歩いてください、と。扇形庫の位置から考えてもそんな気はしましたけどね。では・・・



 歩きだしてみるといたる所に久大線時代の蒸機の写真が飾られていて、この機関庫が文化財となったことを町を挙げて歓迎しているのが分かります。駅舎も建て直されたし、これを機に町の再興をも願っていることでしょう。ただ町に人影はありませんが・・・。お、見えてきました。

 なかなか立派な扇形庫です。梅小路以外ではここと津山くらいでしょう。ここは後でゆっくり見ることにして、まずは機関庫ミュージアムとやらを。奥の赤っぽい建物です。予習しちゃったのでおおよその察しは付きますが・・・。



 ん~、予想通り。イベントでもやらない限り、入場料当分無料でもこれで人集めるのはかなり厳しいです。なのでささっと見て出ようとしたら「どちらからですか?」とスタッフが。それがきっかけで話し込んでしまい、「せっかく遠い千葉からみえたんですから・・・」と、普段は危険なため立ち入り禁止の扇形庫内を案内していただくことになりました。後でゆっくりと言っても、柵の外からでは大した写真は撮れまいと半ばあきらめていましたからね。これはありがたい!じっくり撮らせていただけます。まずは改めて全景から。

 

 線路こそありませんが建物はしっかりしていて、かつてここに並んでいた86やD60の姿が浮かんできます。割れたガラスは、現役当時のどこの機関区でもよく見かけたので違和感ないです。

 



 これは昭和20年8月4日の米艦載機による機銃掃射の弾痕です。職員2名が犠牲になりました。戦争末期、軍は本土決戦に備え邀撃よりも温存に舵を切ります。その結果空母や硫黄島から飛んできた戦闘機はやりたい放題。日本中を蹂躙しました。もっとも邀撃に出ようにも、数も性能も技量も大きく水をあけられていた末期のこと。結果は一緒だったかもしれませんが・・・。



 案内してくださったスタッフの方からいろいろと話しうかがうことができましたが、機関庫祭り等は盛況ながらなかなか厳しいというのが率直な感想でした。特急停車に合わせて駅をリニューアルしても停車時間が短いからここまでは来てくれないとか、敷地をJR九州からウン千万で買い取ったり志免から29612を直して運んでこれまたウン千万と金かけても、その後に予算が付かなければこれ以上何もできない等々。保存機を持て余してる自治体から譲ってもらって蒸機の数を増やそうにも、費用は全部こっち持ちでは到底無理、等。そもそもこれで町興しなんて、弱小地方自治体にはあまりにも荷が重すぎます。文化財だけで飯が食えるわけないんだから、JR九州等の大型資本投入しかないでしょうね。これだけの敷地があるのにもったいないなぁ・・・。せめて線路敷いてほしい!



 そして29612。新製からずっと九州を走り続け最後は行橋でした。保存されていた志免町で持て余し解体されるところでしたが、無償譲渡されてここに来ました。その際にウン千万かけて直したそうで、その出来栄えは新車かと思うほど。定期的に清掃もされてるおかげで屋外露天ながら素晴らしいコンディションです。しかしここまできれいにして維持できるのならロッドとタイヤは塗って欲しくなかった。おしい!いえね、昨日門司港で油で磨かれた鉄の地肌を拝んできたばかりなもんで・・・。

 30分もあれば、と思ってましたがすっかり長居しちゃいました。スタッフの皆さんありがとございました!九州の梅小路となるよう私も応援します!




一気に矢岳へ!
 今日は保存機めぐり、と言ってもったたの2両です。しかも2両目はうんと離れてて、ここからざっと250Kmで4時間弱!保存機見に行くだけの目的で、途中の寄り道もなくこの移動距離は過去例がありません。しかも行先はかなり辺ぴな所のようです。でもそれでも行く価値があるらしいんで・・・。



 まずは大分道を西進して鳥栖JCTへ。後は九州道を人吉までひたすら南下。なんですが、もうお昼過ぎてんじゃん。なんか軽くでいいんだけど・・・



 でも差し迫った空腹じゃないから、SA3つも飛ばして北熊本SAまで来ちゃいました。もうこの辺でお昼にしましょう。今回熊本エリアは通過ですから必然の熊本ラーメンで決まり!揚げニンニク別盛でありますように・・・



 ビンゴ!どっさり盛りました!博多も良いけどやっぱこれだぁ~!

 


 さらに南下すると・・・、これですね。復旧工事真っ最中!九州内全通とは言ってもまだまだこういった工事個所が残っています。でもこういった所に出くわさないと、不謹慎ながら被災地であることを忘れてしまいます。それほど他の区間は何事もなかったかのように走れます。



 その後も順調に走って人吉の手前の山江SAで一休みしたのが15時15分頃。ここで大事なことを思い出しました。展示館の閉館時刻です。16時じゃね?って。スマホのナビで見てもここから1時間近くかかるときた。ダメじゃん!途中で居眠りしなかったけど豊後森で長居し過ぎたようです。さぁたいへん!とにかく急ぐしかありません。




林道をゆく!?
 人吉で高速下りてR221までは良いんですが、その先がなんだか林道みたいで地図上ぐにゃぐにゃ!しかも長い!計画段階から5号で行っていいのか?と疑問に思ってたくらい。でも今は迷ってる場合じゃありません。スマホのナビに導かれその林道に突入!ダートではないけど実際すごい道ですが、急いでるので悪路もお構いなし!そうやって走る最中も、頭の中では閉まってた時の言い訳が駆け巡ってました。千葉から来たんです!お願い!なんてね。しかし走っても走ってもなかなか着きません。それでも16時ちょうどナビが「目的地は左です。お疲れ様でした」ときた!しかし確かに左下に駅は見えるけど入り口が見当たりません。せっかく間に合ったのにどうすりゃいいのよ!?地元の人見つけたんで聞いたら何のことはない、入り口通過してました。ナビの言うとおりに走ったのに!そして展示館に駆け込むと・・・開いてます。間に合っちゃった・・・。スタッフがのんきでまだ閉めてないのかな?え~、閉館・・・17時!?急ぐことなかったんじゃん!完全に記憶違いでした。無茶な走りしちゃって5号には気の毒なことしちゃいました。





人吉市SL展示館
 ま、とにかく間に合いました。閉館までにも十分時間ありますからじっくり拝ませてもらいましょう。いやぁ楽しみです!
 


 そもそもなんでこんな辺ぴなとこまで来たかと言えば、ここで保存されてるD51170は、お守してくれる方がいるおかげでコンディション抜群!と聞いてるもんで。庫内がゆるく傾斜してるので、車止め外したら動き出した!なんて逸話も。そこまで言われたら見てみたいじゃないですか。そしていよいよ・・・ごた~いめ~ん!・・・あれ?

  なんか話違いません?保存状態は比較的良好ながら、抜群!はないでしょう。ロッドは塗ってないけど錆浮いてるし。これじゃ車止め外したくらいじゃ動きそうにありません。お守する人いなくなっちゃったのかな?

 

 訪れる人が少ないからでしょうか、車外も車内も欠品は無さそうですし、全体的にヤレ感はありますが清掃で殆ど復旧しちゃいそうなレベルです。



 保存当初はここにSL人吉の58654が並んでいました。今は線路だけですが、同じく86の動輪が置かれています。番号は不明です。



 この車止めのことですかね?外したら動いたってぇのは。今ならそんな心配いらなそうですが。タイヤこそ塗られてますがロッドは鉄の地肌です。少し錆が浮いてますが、この程度で済んでるんですからやはり誰かがメンテしてくれてるんじゃないですかね?でなきゃま茶っ茶でしょうから。

 売店あって干しシイタケ売ってます。でもとうとうスタッフに会えなかったので、料金箱に払って2袋ほど。たっぷり入ってこれで1袋500円はお得!




矢岳駅




 当時ものと思われる矢岳駅は趣がありますねぇ。元々は鹿児島本線の駅ですから駅舎も立派。でも今は1日上下5本ずつが停まるだけの無人駅。どこの家にも車がある周辺住民の人数考えたらそれでも多いくらいか・・・。

 貨物ホームが残っています。今よりもずっと多くの人が住んでいて、鉄道も輸送の要だった時代の遺構、と言っては言い過ぎか・・・



 さて、そろそろ戻りますか。と走り出したんですが、途中で「大畑駅」の表示に反応して、行ってみることにしました。




大畑駅




 程なく着いて車から降りてちょっと驚いたのは先客がいたこと。列車の来る時分でもないのに、こんな山の中の駅で人に会うとは。話してみたら地元の方で、列車を見に来たとか。列車をねぇ・・・。大畑駅は矢岳駅に比べてこじんまりしてます。ここも昔のままなんでしょうね。



 それにしても何ですかこれ!?大畑って何か縁起が良いんですかね?これじゃせっかくのレトロな駅舎が台無し。まるで幸福駅です。



 もういいや!さ、今度こそ帰りましょ!






場違い?
 今宵のお宿は人吉の「アンジェリーク平安」。ここも着いてちょっとびっくり。だって、殆ど小じゃれた結婚式場です。くたびれたおっさんの泊るとこじゃありません。5号も場違い!ですがエレベーター1基もありません。だから階段に「健康のため・・・」と張り紙が(笑)。じゃ、いっか!



 ここも晩飯の仕込みには事欠きません。すぐ近くに大きなスーパーありますから。で、行った時間帯が良かった。お惣菜は半額のオンパレード!なのでついつい・・・。昨日の唐揚げも加わって・・・し~らないっと!

 

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